父の日の始まり

男手ひとつで育ててくれた父を讃えた娘

父の日は1909年、アメリカ・ワシントン州スポケーンのソノラ・スマート・ドットという女性が父を讃えたことから始まりました。

 

彼女が幼い頃、父ウィリアムは南北戦争に招集され、母親がひとりで子どもを育てていました。ようやく父は復員してきたものの、母は過労がもとで亡くなってしまいます。ソノラを含む6人兄弟は父ウィリアムの男手ひとつで育てられました。
しかし、その父も子どもたちの成人を見届けた後、亡くなってしまいました。

 

戦争、妻との死別、ひとりきりの子育て…、さまざまな苦労の中で再婚もせずに自分たちを育ててくれた父に、感謝の気持ちを捧げたい。

 

そう思ったソノラは教会の牧師に頼み、父が生まれた6月に礼拝をしてもらいました。そして、「母の日のように父にも感謝する日を」と牧師協会に嘆願しました。






大統領の賞賛によって国の記念日に

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ソノラの父への深い愛情からはじまった父の日の祝典は、1916年にスポケーンで行われたウィルソン大統領の父の日の演説で一般に認知されるようになりました。

 

1926年にはナショナル・ファーザーズ・デイ・コミッティがニューヨークで組織され、父の日が大衆の間に広まっていきました。1966年にはジョンソン大統領が父の日を賞賛する大統領告示を発し、父の日は6月の第3日曜日に。その後、1972年にアメリカで正式に国の記念日にも制定されました。